ある時、中國の友人に、「淺草(あさくさ)の淺草(せんそう)寺に大きなわらじが下がっているのはどうして?」と聞かれて、答えに窮したことがある。このわらじは寶蔵門にあり、片方の長さが4.5メートル、幅1.5メートル、重さ500キログラムという巨大なわらじだ。

曾經(jīng)有一位中國朋友問我:“淺草寺門前為何要懸掛大草鞋?”當時我不知如何作答。這對兒巨型草鞋位于寶藏門,單只長4.5米,寬1.5米,重500公斤。


わらじ(草鞋)は、稲藁でつくられる日本古來の履物で、足にしっかりと固定されるために歩きやすく、旅をしたり、仕事をしたりする時に便利なものだ。そのために、その日の旅程を終えて宿に泊まる、あるいは旅を終えることを「わらじを脫ぐ注1」と言う。また、一人の人間が異なる二つの仕事を兼業(yè)することを「二足のわらじを履く注2」と言う。

草鞋是日本的傳統(tǒng)鞋類,由稻草編制而成,因為跟腳,便于行走,無論旅行還是工作時穿都很方便。由此,將結(jié)束了一天的行程要到旅店投宿,或者結(jié)束一段旅行,稱作“脫草鞋”。此外,一人身兼兩職叫做“穿兩雙草鞋”。


わらじよりも日常的に履かれた履物として下駄(げた)がある。これは、足を乗せる部分に木の臺を用いるもので、この臺に「歯」と呼ばれる接地用の突起部を付け、3つの孔を穿って鼻緒(はなお)注3を通して履くものだ。これは履くのに手間がかからないため、日常的によく使われる履物になっていて、靴箱のことを「下駄箱」とも言う。

比草鞋更加日常化的鞋類有木屐。這是一種用木臺支撐腳底,臺下安裝稱為“齒”的凸起接觸地面,并在臺上打三個孔,穿入木屐帶后穿著的鞋子。因為穿著省事,木屐在日常生活中應用廣泛,日本的鞋柜也因此叫做“木屐箱”。


下駄の特徴は、下部にある「歯」であり、壽司をのせる臺も同様に2本の「歯」があるために、「壽司下駄」と呼ばれている。また、土足厳禁の日本家屋では、訪問先で畳の部屋に上がる時、「下駄を預ける」必要があり、現(xiàn)在「下駄を預ける注4」という言葉は、相手に決定権を委ね、全面的に任せる時にも使われる。さらに、下駄を履くと「歯」がある分だけ背が高く見えるため、「下駄を履かす注5」という言葉は、水増しする、イメージを?qū)g際よりも良く見せかけるなどの意味をもつ。

木屐的特點是下部有“齒”,而盛裝壽司的壽司臺也同樣有兩個“齒”,所以壽司臺又叫做“壽司木屐”。此外,在到訪嚴禁穿鞋入內(nèi)的日式房屋,進入鋪有榻榻米的房間前,需要“存木屐”,如今“存木屐”這個詞,也指把決定權交給對方,請對方全權處理的意思。再有,穿上木屐,會因為“齒”的厚度而使人看起來比實際高,于是便有了“讓其穿木屐”這個詞,指為了給人留下好印象,弄虛作假。


さて、冒頭に書いた淺草寺に「大ぞうり」がある理由だが、これは集落や村の入り口に藁で作った大きなぞうりや巨人像をおくという風習とも関係していて、これだけ大きな草履を履く者がここにいるぞと悪しき者(疫病や魔物など)を脅し、入って來させないようにするという役割をもつ。最近は疫病退散に効果があるといわれている妖怪「アマビエ」が大人気だが、これも疫病を恐れた昔の人たちへの共感の現(xiàn)われだとも言えよう。

言歸正傳,開頭提到的淺草寺懸掛“大草鞋”的緣故,和日本在村落里或村口處放置用稻草編制的巨大草鞋或巨人塑像的風俗亦有關聯(lián),其作用是威懾惡神(瘟疫或妖魔等):這里可住著一個穿如此大號草鞋的人呢,警告其不要入內(nèi)。最近,據(jù)稱能有效驅(qū)除瘟疫的妖怪“尼彥”人氣頗高,可以說,這也是今人與恐懼瘟疫的古人產(chǎn)生共鳴的體現(xiàn)。

注釋及例句

注1例文「今日は溫泉地でわらじを脫いだ」

例句:今天在溫泉旅館歇腳。

注2例文「彼は作家とサラリーマンという二足のわらじを履いている」

例句:他身兼作家和公司職員兩個職務。


注3美しい布などで作られることが多いので「花緒」とも書く。

因為大多用漂亮的花布制成,也寫作“花緒”。

注4例文「このプロジェクトの可否判斷については彼に下駄を預けた」

例句:這個項目能否通過,就全權交給他來判斷吧。

注5例文「點數(shù)に下駄を履かせて合格にした」

例句:抬高分數(shù),讓其通過了考試。

翻譯、編輯:錢海澎